過疎地に無料乗り合いタクシーを!

15日の夜学会は、「地方首長の任期」をテーマに、50年にわたり芸西村長を続けた事例を紹介した。歴史上、王制でもそんな長い在位は珍しい。昭和天皇が64年というのも長い方で、平成の今上天皇もこの間即位したと思っていたらすでに28年に及んでいる。

民間企業では普通、3期6年が一般的。アメリカ大統領は2期8年と憲法で多選できないよう縛りがある。2002年に長野県知事だった田中康夫が3期12年という知事任期を縛る条例を議会に出したが否決された。そもそも2期8年やってできないものは3期目になってやれるはずがない。橋本大二郎、前高知県知事は3期目の公約で「改革」を掲げたが、自分のやってきたことを改革するのであれば自ら天に唾をするようなものであると嗤ったことがある。

わが高知県では知事と高知市長が3期目に入っている。これを阻止するには次の候補者を市民の立場から考えていかなければならない。選挙の直前に候補者選びをしていたのでは遅い。現職は必ず有利なのだ。

受講者の中から、「俺だったら8年も緊張感をもって続けられない。やめたいと思うのが普通だが、まだ走れるということは、全力で走っていなかったことになる」という意見が出て、みな納得した。

というような話の関連で、地方独自の政策テーマとして、山間地の交通弱者への対策について話し合った。

以前、大豊町でお年寄りを町の病院まで運んでいた人が、白タク行為で検挙される「事件」があった。現在では、一部の地域で社会福祉関連のNPOにそうした行為が許されているが、あまりに便数が少ない。

土佐山では4年前から、高知県交通のバスが庁舎前と市内を結ぶ便に限定する代わりに、タクシーをチャーターして、予約制で家から庁舎前まで運行することになった。タクシーを1日チャーターすると3-4万円かかる。バスより安いということだったが、庁舎前からのバス便が6日に数便しかないから、タクシーの運行もほとんど役立っていない。バスの乗客はほとんどゼロか一人なのだ。

仮にタクシーにそれほどのお金をかけるのだったら、乗り合いタクシーにして、常時、土佐山と市内をピストン運転したらどうだろうか。市内の入り口の愛宕商店街だったら、土佐山庁舎前まで20分。タクシーが2台あったら、1時間に2本の乗り合いタクシー運行が可能となる。それも高知市の補助金で無料運行できるかもしれない。

公共交通機関が高くて便数が少ない地域での移動はほぼ100%がマイカーに依存している。まして1000人足らずの村と高知市内を結ぶ交通機関にどれほどの乗客があるか分からないが、30分ごとの運行でしかも無料だったら、けっこうの利用者があるかもしれない。

高知市がやらないのだったら、NPOがボランティアで、運行できるかもしれない。運賃を取れば「白タク行為」になるが、無料だったらどうだろうか。経費はどうまかなうか? 会員制、チップなどの考えもでたが、広告費として徴収する案もでた。たとえば、住民から年間数千円の広告費をとって小さなステッカーを車に貼りまくったらどうか。

これは実現性が高いかもしれない。

いずれにせよ、僕たちが必要としている施策を自らが考え、それを実現してもらえそうな人物を探し出して選挙で応援する。これこそが民主主義の原点ではないだろうか。土佐人民共和国としては、エネルギーの自活、交通網の自活、食糧の自活を3本柱のテーマとしてもいいのではないかという意見も出た。

1カ月前に議論した菜種油からディーゼル油を取り、ディーゼル車タクシーを実現できれば、さらに面白そうだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です