高知Universal Stock

古典的な経済学だが、マーシャルのフローとストック思想は重要である。

高知県の戦後経済を考えた場合、単にストックが不足しているということができる。

高知県にそれほど大きな産業というものはないが、多くの場合、それらの経営思想は、東京なりアメリカなりのフローを移植した形での運用となっている。つまり、極言すれば、高知が高知であった戦国期や幕末期の高知独自のオリジナルな思想が今は、全くない。そして、それが高知が経済的にも文化的にも発展しない、停滞している原因なのだ。という結論に達せざるを得ない。

このような経路を辿らずに現土佐人の思考ループは、国から予算をもらえないから高知県は貧乏なんだ、とか、そもそも田舎だから何をやっても無駄だ、とかになりがちである。

われわれ高知県人がやるべきことは”ストック”を創ることである。この”ストック”の質がいかなるものか、下に述べる。

①中国文化と東北の亀ヶ岡文化を集約した土佐市の縄文中期の居徳遺跡

②高知室戸で金星を飲み込んで大成した空海

③他の戦国武将が悉く源平ルーツを宣言していた時代にひとり秦の始皇帝の末裔と公言していた長宗我部元親

④なんの実績もないのに船で世界中と貿易するという夢を語り続けた坂本龍馬

土佐の風土とそこから生まれた上記のような典型的な思想・人物をあげてみると、この土地に根付く思想がUniversalなものであることに気付く。Universalとは、日本人がよく使う”国際的”とは全く異なる意味の概念である。

そもそもUniversalとは、国境を意識させない普遍的な感覚のひとつである。

その≪Universalなストック≫を蓄積していかなければいけないというのが、この記事の本旨である。

そして、このUniversalストックが何を意味するかと言えば、”Universalな思想を持った人間のストック”ということになる。

それを可能足らしめる思想的なダムが哲学カフェであり、夜学会・DOMINGOなのではないだろうか。

そのストックがある一定上溜まった時、初めてフローが流れ始める。歴史として認識された事象で言うならば、それが自由民権運動ということになる。自由民権運動は完全なるストックが存在する。そのストックを語ることなしで高知の経済発展は語れない。

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